研究内容を 大まかにまとめると

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天然に存在する化学物質のなかでも、たとえば毒や薬といった、生物に対してなんらかの作用を引き起こす「生物活性物質」を研究しています。「どうやってクラゲが光るのか」という研究で、2008年にノーベル賞を受賞された下村脩先生(名古屋大学特別教授)が発見した GFPという蛍光たんぱく質も生物活性物質です。

GFPによってオワンクラゲが光るということを下村先生は突き止めたのですが、この物質を細胞内の目印として使うことで、その後の生命科学研究が革命的に進歩しました。医療や生活に役立つ、そんな未知の生物活性物質を “見つけたり”、“作ったり”、あるいは“いじったり” することが、私たちの研究室の目的です。

私たちの研究室では、 ComXフェロモンという生物活性物質の構造を世界で初めて解明し、人工的に合成することに成功しました。実は、この物質は納豆のネバネバに関係しています。ネバネバ自体はγ-ポリグルタミン酸という化学物質が原因なのですが、ComXフェロモンが納豆菌からγ-ポリグルタミン酸が作り出される際の「スイッチ」の役割を果たしていることを私たちは見つけたのです。

この発見によって、たとえば病原性細菌の病原性や、食中毒細菌の毒性のスイッチの発見、スイッチを切る新しい医薬品の開発につながっていくことが期待されています。この研究室における研究は、そんな大きな夢と可能性を秘めているのです。

植物のように光合成をして酸素を発生する細菌がシアノバクテリアです。らん藻とも呼ばれ多様な種類があり、海や陸など、世界中のさまざまな環境に生育しています。これらのシアノバクテリアはさまざまな生物活性物質を生産するため、新しい医薬品となる可能性のある化学物質の探索対象として注目されています。

一方で、シアノバクテリアにはまだまだ未解明な部分がたくさんあります。南極のような極限環境に適応したシアノバクテリアが発見され、予想以上の多様な種が存在することが最近わかってきました。私たちは、シアノバクテリアのうちこれまであまり探索されてこなかった種類にターゲットを絞り、社会に役立つ生物活性物質を発見するため、未知の天然有機化合物の探索をおこなっています。

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2021.05