研究内容を 大まかにまとめると

研究内容を もっと詳しく!

音楽学ゼミでは、古今のさまざまな音楽について、多様な視点と方法で研究を進め、卒業論文を執筆します。学生ごとに自分でテーマを見つけるので、西洋音楽史の音楽家や楽曲に取り組む人もいれば、K-POPやアイドル音楽など今時の音楽を研究する人、音楽配信などのテクノロジーと音楽の関係について調べている人もいます。芸術学科では演劇学や映画学についても学ぶことができるので、ミュージカルや宝塚などの音楽や、ジブリやディズニーなどの映画音楽も人気です。各自が多様な音楽について調べつつ、活発に意見交換をして、互いの研究を深めています。具体的なイメージをつかむため、ナビゲーター2人の卒論テーマをご紹介しましょう。

Aさん:私の研究対象は、19世紀前半、パリのサロン・コンサートの演奏記録。特にピアノの演奏データを基に、演奏者のジェンダーによる演奏の傾向を研究しています。データを分析することで、当時の女性のピアノ演奏における傾向が見えてきています。これまでに、女性は従属的なイメージを抱かせる伴奏を多く担当していることや、当時の男性作曲家による華やかで難しい楽曲をあまり演奏していないことが分かりました。 いまは演奏傾向を確かめていますが、これからは性別による身体的な制約が楽曲の傾向にどう影響するかなどを検討したいです。さらに、社会学的なジェンダーの観点を深めて、これまでの結果を見直していきたいと考えています。

Bさん:クラシック・バレエでは、ほぼすべての動作に名前が付いています。そして多くのステップの成立は、17世紀にまで遡ることができます。17世紀のフランスと言えば、ルイ14世の統治下で足の5つのポジションの確立などバレエの基盤となるような物事が成立した時代です。今日でも17世紀と同一名称のステップが多く残りますが、同じ動作のままであるとは限りません。では、どのような経緯で変化が生じたのでしょうか。私は17世紀と現代のちょうど中間に位置する19世紀のバレエに注目し、当時の資料をもとにステップを復元して実際に踊ったり、ステップと伴奏音楽の関係性について考えることで、この問題について研究しています。

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2023.02