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平安時代には多くの物語文学が書かれました。私の研究室では、それぞれの物語文学作品の関連性について研究しています。例えば、源氏物語には竹取物語や伊勢物語が紹介されています。このことで、各作品のだいたいの成立年代もわかってきます。また、ここで紹介された竹取物語の本を手で写した人物として「紀貫之」が実名で出てきます。源氏物語には光源氏といった虚構の人物だけでなく、実在した人物の名前も多く出てくるのです。こうしたことは、源氏物語が当時孤立した表現媒体ではなく、さまざまな文学作品とのつながりの中にあったことを示すものなのです。

天理大学附属天理図書館には、世界的にも大変評価の高い古典籍資料が所蔵されています。また、国文学研究の世界においてもその重要な拠点の一つとして機能しています。これらの古典籍の中には、源氏物語の鎌倉時代の写本などもあり、平安文学研究の基礎的な資料として広く認知されています。こうした古典籍の実物、複製、デジタル媒体などを用いて、古典文学作品の元の姿、つまり「ホンモノ」を調査しています。変体仮名やくずし字といった、当時使われていた文字表記の読解法を駆使し、「ホンモノ」に触れながら、そこからの情報をダイレクトに受けて考察する研究をしています。

平安時代の文化は、その後の日本文化全般を形作りました。どのジャンルの文化現象も、その多くは平安時代にその起源が求められます。雅楽は日本の伝統音楽ですが、中国大陸からの影響を強く受けています。遣唐使やそれに関わった人物が、日本にもたらしたものの一つですが、源氏物語には数多くの音楽描写があり、それらがこの作品の場面生成に深く関わっています。サウンドスケープ(音楽風景)を考慮せずに、源氏物語を読むことは不可能とも言えます。文学と文化は複雑に関連しながら、その営為をつなげていきますが、私の研究室では「平安文化」という枠組みを見据えつつ、調査・研究を進めています。

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2021.04