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絵画や彫刻など従来からある芸術に対して、コンピュータを用いた新しい芸術は「メディア芸術」と呼ばれています。メディア芸術の分野において、コンピュータ技術の発展が、ものの見方や考え方にどのような影響を与えたのか、インタラクティブな作品やデザインの制作を通して実践的な研究をしています。具体的にはメディアインスタレーションの制作や、センサを用いたフィジカルコンピューティングの作品制作に取り組んでいます。たとえば、市販のデバイスのツールを用いて身体の動きをセンシングすれば、自分の身体がコントローラーとなり動きのある表現が可能になります。

コンピュータ技術の発展は、プログラミングによる美術表現を可能にしたことで、「インタラクション(双方向性)」というデジタルなものの見方や価値観を生み出しました。しかし、今の時代は、単に作品の中にインタラクティブな要素があるだけでは、観る人を満足させることはできません。人々は、デジタルな作品にナラティブ(物語性)を求めるようになっており、いくらコンピュータ技術を駆使して斬新な表現ができたとしても、そこに何の意味があるのか、この問いに答えられる作品でなければ、人々の記憶には残りません。研究室では、こうした批評的な見方も大切にしつつ、新たなメディア芸術の可能性を追究しています。

芸術がその時代々々の最新技術の影響を多く受けてきたことはよく知られています。ラスコーの洞窟壁画の時代では、顔料そのものが最新技術であったでしょうし、抽象画は、写真技術の確立によって写実的に対象を描くことの虚しさに当時の画家が気づいたから発達したのです。これらの事例はみな、技術の発達がものの見方を変えさせた例でしょう。今日の情報工学のキーワードのひとつに「インタラクション」があります。当研究室では、この「双方向性」という意味をもつ「インタラクション」をテーマに、マウスやキーボードに頼らないフィジカル・コンピューティングによるデザインや芸術分野の可能性を探ります。

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2021.03