研究内容を 大まかにまとめると

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建築は竣工した時からがスタートという捉え方も大切です。人が使いはじめてこそ意味を持ち、いきいきとした時間が流れ始めるからです。ところが、20世紀の建築や都市は必ずしも、人の暮らしを重んじたものではなく、経済活動優先の都市ができていきました。私たちは建築や都市のあり方に問題意識を持ち、住環境の形成過程や生活環境のリデザインの研究に取り組んでいます。暮らしの豊かさを育む生活環境とはどのようなものか。当たり前のように感じている日常の環境が、どのような過程で形成されてきたか、時には批評的に解き明かしながら、生活環境の再構築に必要な視点や手法を探求しています。

建築の歴史は長い間、設計や建設を行う側の立場から叙述されてきました。そこに介在した多分野の営みや、そこで生きた人たちの視点が踏まえられることはほとんどありませんでした。そこで建築の歴史の視野を拡張する試みの1つとして医療施設の史的研究を行っています。現代における医療施設の建築形式は20世紀前半に形成されたものを原型としています。その原型の成立過程を当時の医療文化、生活文化、人々の病気や医療に対する心性に照らして明らかにすることを目指しています。

「まちをアルバムにする」という、地域の歴史を生活目線で紐解く活動を、地域の方々と協働で進めています。昔の写真を集め、キャプションをつけて写真展を開催。写真展では地域の方々が、懐かしそうに語らう姿がみられます。地域の歴史といえば、“〇〇台風で被害を受けた”など、大きな出来事や事件を中心に語られることが多いのですが、この取り組みでは地域の方々が対話の中から、住む人の目線で地域の歴史を浮かびあがらせます。そこには、生活環境の再構築について考えるヒントがあると考えています。私の研究室では、生活を丁寧に見る姿勢を重視し、日々の暮らしが生活の環境をつくり、その環境が暮らしを育むという関係に注目しています。

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2021.03