高校までのようにみんな同じな学習ではなく、大学では、自分の心のままに自分自身のために知識や教養を身に付けることができます。

では、「自由な学び」とは、どういうものなのでしょう?
大学に進学をするつもりだけれど、実際のところ大学の授業ってどんなものかピンとこない。「高校と大学って何がちがうの?」と漠然とした疑問や不安を感じている高校生も多いかもしれません。
大学のパンフレットやWebサイト、SNSで先輩たちのキャンパスライフを見て、なんだか自由で楽しそう! 責任感が増すのが不安……と、ぼんやりとした大学生のイメージはあっても、実際に大学で行われている授業の仕組みや、学び方は進学前の高校生にとって分かりにくいもの。ここでは、「高校と大学の学びのちがい」を5つのポイントで説明します。

高校の学び 大学の学び

Point1 「カリキュラム」のちがい

高校の学び 文部科学省が定めたカリキュラム
高校までの授業は、どちらかといえば受け身の学習です。
学習指導要領に沿った教育課程編成が定められています。そのため、得手不得手にかかわらず文系科目、理系科目、体育、芸術など決まった教科について幅広く学び、生きるための知識や思考力を蓄えます。
大学の学び 学校ごとに作られた自由なカリキュラム
大学での授業は、自ら積極的・主体的におこなう学修です。
大学での研究をスムーズに行うために身に付けるべき知識や教養など、あらかじめ決まった科目もありますが、自分の興味関心に沿って自由に学びたい科目を選択することができます。

Point2 「時間割」のちがい

高校の学び クラス全員が同じ時間割
高校までの授業は、クラス単位で時間割が決められています。教科により少人数授業や、選択授業もありますが、基本的にはクラス全員が同じ時間に同じ科目の授業を受け、1時限目からその日の最終時限まで、隙間なく授業が埋まっています。
大学の学び 一人ひとり違う自分だけの時間割
大学の授業は、興味関心に沿って科目選択をするので、一人ひとり違う時間割ができあがります。場合によっては、1時限目と3時限目、4時限目だけが授業というように授業と授業の間が空いていたり、登校の時間や下校の時間も人により変わってきます。

Point3 「教室」のちがい

高校の学び 自分の所属クラスが教室
高校では、生徒ごとに所属クラスが決められ、クラスごとに割り当てられている教室で授業を受けます。教科により教室移動をする場合もありますが、多くの授業は所属クラスの教室に先生がやってきて行われます。
大学の学び 授業が行われる場所が教室
大学では、授業ごとに教室とクラスメイトが変わります。科目により受講人数も変わるため、教室の広さもさまざま。授業が行われる部屋へ教員も学生も移動します。また、基本的には高校までのようにホームとなる教室はなく、教科書や私物を置くスペースはありません。

Point4 「テスト」のちがい

高校の学び 教科書に沿ったペーパー中心のテスト
実技科目以外は、決まった答えがあるペーパーテストが中心なのが、高校までのテスト。
さまざまな知識を組み合わせて解く問題も増えていますが、基本的には教科書に書いてある内容を記憶や理解をして挑みます。
大学の学び 科目により違うバラエティ豊かなテスト
大学で行われるテストは授業によりさまざま。高校までのようなペーパーテスト以外にも、教科書や電卓などの持ち込みが許可されている場合や、レポート形式、プレゼンテーション形式、実習形式など科目ごとにテストの方法が異なります。

Pointt5 「先生」のちがい

高校の学び 高校の先生は、
「指導のプロフェッショナル」
高校の先生は、教育職員免許状(教員免許)を持った教員です。
担当教科を教えることはもちろん、生徒指導や進路指導など生徒の心身の成長のための助言も行います。生徒一人ひとりの状態を見極めながら適切にかかわるスキルを身に付けている、いわば指導のプロです。
大学の学び 大学の先生は、
「研究を手助けするスペシャリスト」
大学の先生になるためには、授業を行うための資格や免許は必要ありません。大学院などの研究機関、一般企業、政治や行政、プロの作家やアーティスト、スポーツ選手など、大学教員になるまでのキャリアはさまざま。教授とも呼ばれるとおり、各分野のスペシャリストから、知識や経験を、授業を通じて授かるのです。

まとめ 進路選びのアドバイス

この5つのポイントで挙げたように、大学の勉強はとても自由で柔軟性の高いものです。 自由に学べるということは、「自分がどんなことに興味関心があって、どんな知識を身につけて、何を解き明かしていきたいのか」を自分自身で理解している必要があります。
そして、それを理解するための手助けをしてくれるのが、大学の「研究室」や「ゼミ(ゼミナール)」。

研究室やゼミ(ゼミナール)は、分野のプロフェッショナルである教員のもとで、少人数で実験・討論・研究などを行い、特定のテーマを深掘りして研究を行っていく大学ならではの授業科目です。 教員によって取り扱うテーマが異なるので、同じ名称や似た名称の学部学科の名前であっても、在籍している教員の専門分野によって授かれる知識や経験は変わってきます。
いざ大学に入学をしてみたら学びたい分野のスペシャリストがいなかった……ということがないように、学びたいことが決まっている高校生の方は特に教員や研究室、ゼミまで注目をして学校選びをしてみることをおすすめします。
まだ、決まっていないという方も、研究室・ゼミをのぞいてみれば、自分の興味関心の方向性を判断する指標がきっと見つかります。

「大学の研究室は何をするところですか?」では、いろいろな大学の研究室やゼミについて、高校生にもわかりやすく説明をしています。ハッシュタグで探すことができるので、まずは気になるタグを入れて、どんな研究室やゼミがあるのか調べてみましょう。