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生物は、その38億年の歴史の中で遺伝情報であるDNAを綿々と受け継いで進化してきました。そのDNAを解析することにより、進化の過程を明らかにすることができます。本研究室では、ミトコンドリアゲノムの塩基配列情報を基に、魚類や甲殻類をはじめとする水圏生物の進化史の解明を試みています。新型コロナウイルスの報道で耳慣れた言葉になった“PCR検査”。PCRとはDNAの特定の領域を数時間で何100万倍にも増幅することができる技術です。そのPCRという技術を使って、微小なDNAを検出機器で検出可能なレベルまで増幅することができ、DNAの塩基配列情報を解読することができるのです。

地球環境の悪化や外来種の影響により、在来種がその数を大きく減らしていることが問題となっています。主に水圏生物を対象に、外来種の駆除と在来種の保全を目指して、生物多様性の保全や絶滅危惧種の保護・再生の基礎データとなる集団構造を明らかにすることを試みています。ミトコンドリアDNAの調節領域や核ゲノムのマイクロサテライト遺伝子座のような高感度マーカーを用いることにより、種内の集団構造や多様性を解析しています。すなわち、その生物の生態情報を得ることができ、遺伝的な健全度を測ることもできます。また、隠蔽種や形態の酷似した生物種を判別する“DNA鑑定”も行っています。

生物多様性の喪失は地球規模の大問題となっています。 従来の淡水生物のモニタリングには多大な労力とコストがかかり、生態系への配慮も必要となります。そこで、環境DNAを用いた淡水生物の効率的なモニタリング手法の開発を行っています。環境DNAとは、水中に放出されたフンや体表面から溶出したDNAのことです。環境DNA 手法とは、これら水の中にあるDNA から、ある生物特有のDNA を定量PCR を用いて測定し、その生物の在不在や生物量を推定する方法です。本研究室では、この手法を用いて、絶滅危惧種の生息域の調査や外来生物の侵入状況の把握を行っています。

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