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プロフェッサー 城西大学
理学部 化学科 北川 浩子生化学・分子生物学 -
ナビゲーター 4年生 新 和真さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
チョウの前脚で使われている遺伝子をすべて調べます。
日本の固有種であるギフチョウを主な対象に行っています。ギフチョウは年に1回しか産卵しないので、研究対象にするにはちょっとやりづらいチョウですがそういうチョウこそやってみたくなりました。チョウは視覚情報を頼りに葉に止まり、その葉を前脚でたたきます。この時前脚では瞬時に「この葉に産卵して良いか」を見極めます。どのタンパク質がその作業に関わっているのかを調べるためには産卵をするメスとしないオスの前脚で使われている遺伝子を調べ、比較することにより確認します。
葉の化合物と結合するタンパク質を見つけます。
「この葉に産卵して良いか」を見極める第一段階が葉の化合物に結合するタンパク質との出会いです。植物の種類はとても多く、異なる葉でも同じ化合物が含まれます。産卵する葉に含まれる化合物のどれをチェックしているのかは結合タンパク質によります。どのような特徴を持った何種類の結合タンパク質によってチェックが行われているのかを調べていきたいです。それにより、遺伝的意味も考察できればと思います。
近縁種であるヒメギフチョウが違う葉を食べるようになった原因を調べます。
日本にはギフチョウの近縁種として亜種のヒメギフチョウが生息しています。この近縁な2種は産卵する葉が異なり、日本の真ん中あたりで一緒に住んでいますが、ルードルフィアラインと呼ばれる境界線で生息地が分かれています。食べる葉が異なったから種が分化したのか?種が分化したから食べる葉が異なったのか?を調べます。上記研究よりギフチョウの葉の見極め方が先行研究として行われているので、ヒメギフチョウの葉の見極め方を調べて、その違いを見つけたいです。