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プロフェッサー 城西大学
理学部 化学科 佐野 香織分子進化、形態構造 -
ナビゲーター 生体分子生物学研究室学生さん ※学年は取材当時
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イクラや数の子のちょうどよい歯ごたえのひみつ
日本人はイクラや数の子、たまーにキャビアなど、魚の卵をよく食べます。稚魚の栄養分となるタンパク質を食しているわけなので濃厚な味はさることながら、プチプチした食感もおいしさの重要な要素です。食感を決めているのは卵の周りにある卵膜というタンパク質性の膜です。卵膜はもともと卵自身で合成し、周りに蓄積していましたが、魚の進化過程で母親の肝臓で合成されて卵の周りに運ばれるように変わりました。その結果、一気に大量の卵膜タンパク質を作れるようになったため、魚の卵膜は厚くなったとされています。進化過程で何が起きて肝臓で合成できるように変化したのか、また、どうやって卵までうまく運んでいるのかなどを調べています。
ピーマンはトウガラシの仲間なのになぜ辛くないのか
トウガラシの辛味はカプサイシンという有名な物質です。多種多様な植物が存在しますが、カプサイシンを合成するのはトウガラシだけです。なぜトウガラシだけがこのような物質の生合成経路を獲得したのか、分子生物学的視点と進化学的な視点で解明を目指しています。また、ピーマンやパプリカをはじめとして、トウガラシの仲間でも辛くないものがあります。どんな遺伝子の違いによって辛いトウガラシと辛くないトウガラシができるのか、解析しています。