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プロフェッサー 城西大学
理学部 化学科 寺前 裕之量子化学/計算化学/ケモインフォマティクス -
ナビゲーター 4年生 情報科学研究室学生さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
さまざまな分子を分子軌道法や分子動力学法で調べます
Ab initio分子軌道法を使った分子動力学法の一種である高次元アルゴリズムを用いた研究を行っています。通常の分子動力学シミュレーションとは異なり、実験で得られる情報を一切必要としない手法です。今までに、シックハウス症候群の原因と言われているホルムアルデヒドの検出試薬となる物質や、地球温暖化現象をストップさせるべく二酸化炭素を吸蔵する物質のシミュレーションを行って、新しい物質の提案を行ってきています。
創薬を目指して、分子軌道法と機械学習を使って候補となる分子を調べます
私たちの研究室では分子軌道法と機械学習を用いることで既存の薬を学習することで、未知の薬の薬効を予測することから創薬を目指しています。具体的には、アルツハイマー病やガンなどの原因といわれている酸化ストレスを軽減する抗酸化物質であるフェルラ酸の抗酸化作用の強さをほぼ間違いなく予言することに成功しています。また、現在では抗AIDSウィルス薬であるADAMSの抗ウィルス作用の強さの解析を行っています。
分子軌道法と機械学習により分子の持つ様々な性質を調べます
分子軌道法と機械学習により、さまざまな分子の分子構造、双極子モーメント、融点と沸点、エントロピー、比熱などの予想が行えることを初めて示しました。非常に意外なことに、簡単な分子軌道計算で得られる軌道エネルギーのみを教師データとすることで、これらの分子の性質を予測できることが明らかにされました。現在は他にどのような性質を予測できるかさらに検討中です。