研究内容を 大まかにまとめると

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私たちの研究室では、薬が効果を発揮するためのさまざまな要因について調べています。薬は、誰にでも同じように効くわけではありません。体質、生活習慣、食習慣、さらには心理状態によって、効果が大きく変わることが知られています。
特に、プラセボ効果(効き目のある薬を服用していると本人が思い込むことによって効果が現れること)は注目すべき現象です。私たちの身体は自分自身で薬の効果を生み出す、あるいは薬の効果を高める機能を持っていることが科学的に分かっています。そこで私たちは、薬の成分以外のさまざまなビッグデータを駆使することで、「薬はなぜ効くのか」という本質に迫ろうとしています。

私たちは薬の効果だけでなく副作用についても調べています。たとえば、プラセボ効果とは反対に、副作用の恐れがある薬を服用していると本人が思い込むことによって実際に副作用が現れることがあります。これはノセボ効果と呼ばれています。つまり、副作用の発現にも心身の状態が大きく関わってくるのです。私たちは薬の効果だけでなく副作用についても、大規模データ解析によって、その本質を明らかにしようとしています。
そのほかに、膨大なパターンの薬の組み合わせをシミュレーションして、薬の飲み合わせ(相互作用)によって生まれる副作用を新たに発見する研究も行っています。

これまでに説明してきたように、薬の効果は、その成分だけでなく、人の心身の状態によっても大きく左右されます。だからこそ、薬のプロフェッショナルである薬剤師が、情報を正しく伝え、患者の不安を取り除くことが医療現場で求められるのです。薬剤師が適切な服薬指導を行うことによって、薬の効果が高まったり、副作用が起きる確率が減ることが明らかになれば、薬剤師の活躍の場はよりいっそう広がるはずです。私たちは薬剤師の役割や服薬指導のあり方を、インターネット調査などを活用して明らかにしようとしています。

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2024.03