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私たちは小さな頃から様々な予防接種を受けてきました。予防接種には注射が使われますが、とにかく”痛い!嫌だな〜”というイメージが強いのではないでしょうか。 現在、痛みの原因となる注射針を使わずに”超音波”や”マイクロニードル(痛みを感じないほど小さくした針)”を使ってワクチンを投与する方法が研究されています。ワクチンを届けることに加えて、特に私たちは、痛みを感じない程度の ”物理的刺激”が皮膚の免疫活性化にどのような影響を及ぼすのか明らかにしようと取り組んでいます。ワクチンを無痛で投与でき、さらに効率的に免疫が活性化されれば、近い将来、予防接種のイメージが様変わりするかもしれません。

”てんかん” という病気を聞いたことがありますか?てんかんは、脳にある神経細胞の異常な活動により発作(身体的なけいれん)が起こる病気です。発作を抑えるために注射が使われます。しかし、注射には痛みが伴う、医療スタッフでないと注射ができないといったデメリットがあります。そこで私たちは、お薬を使う場所として、”鼻” に着目しました。点鼻薬には痛みがなく、家庭で治療ができます。「脳の病気なのに”鼻”にお薬を使って良いの?」とお思いかもしれません。実は鼻には脳へお薬を届けるルートがあり、より高い効果も期待できます。発作はいつどこで起こるか分かりません。発作を速やかに抑える点鼻薬の開発が急がれます。

”睡眠障害”は、現代のストレス社会で増加傾向にあります。お薬を使わない治療方法として、頭部への電気刺激による治療が試みられていますが、電気刺激は脳深部へ届かず、脳表面への影響を検討するにとどまっています。そこで、本研究室で以前から利用している“超音波刺激”に着目しました。超音波エネルギーは脳深部まで到達でき、また照射領域の正確な制御が可能です。私たちは、睡眠に関係の深い脳領域選択的に超音波を照射し、睡眠障害を生じたマウスに対する治療効果を検討しています。今後、超音波照射による睡眠脳波、行動、脳内細胞への影響を明らかにしていきます。

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2024.03