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持続可能性とは、単に資源の枯渇を防ぐことではなく、人類が共通の課題を克服することで何世代にもわたって尊厳ある人生を送れる社会の実現とも言えます。経済学の父アダム・スミスは、人間が最低限送るべき生活を「健康で、負債がなく、良心にやましいことが無い」生活と捉えました。これはお金がなくてもいいということではなく、健康でいられるための医療費を負担できる所得、返済できないような負債を抱えなくて済む所得、盗みを働かなくても必需品を手に入れるだけの所得は最低限必要であるということになります。SDGsは万民に対しこの最低限必要な生活を持続するのに必要な富をいきわたらせるための目標でもあります。

SDGが掲げるスローガン「だれもあとに取り残さない」が意味するのは、すべての人を救うことではなく、すべての人が自身の抱える課題を解決できるための力を身につけられる社会の実現といえます。だからこそ、SDGsは教育やジェンダーの平等に関する達成目標を掲げ、万民が自身の人生において成し遂げることができること(ケイパビリティ)を拡大できるために必要なエンパワメントを重視しているのです。つまり、社会の課題解決に関わるためにはそれに必要な潜在能力を身につけることが必要です。みなさんが大学に進学するのも、進学しない場合に比べて、ご自身の人生においてできることを増やすことに他ならないと思います。

SDGsの達成という社会課題の解決は、個人の利己心や自愛心を否定しては実現しません。社会課題の解決に寄与した人が利益を得られる仕組みをつくる必要があります。そのためには、政府や企業など必需品・サービスを提供する供給側だけでなく、需要側の変革が求められます。京都で着物産業が発展したのは、京都に優れた着物職人がいたからではなく、京都の消費者が良質の着物を求める志向を有していたからだといわれています。つまり、株に投資する人が社会課題の解決に取組む企業の株に優先的に投資することや、消費者が社会的課題解決に貢献した企業から財やサービスを購入する姿勢は市場経済を通じた社会課題の解決につながります。

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この研究室があるのは

経済学
2024.01