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プロフェッサー 東京農業大学 北海道オホーツクキャンパス
生物産業学部 海洋水産学科 小林 万里海生哺乳類学 -
ナビゲーター 3年生 峯村 直弥さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
極寒の湖で、寒さに耐えながらゴマフアザラシを探すことから調査が始まる!
流氷の季節、私たちの研究フィールドはオホーツク海のサロマ湖と能取湖。湖が凍りはじめると、ゴマフアザラシたちが氷の上に現れます。でも広い湖では、遠くのアザラシは黒い点のよう。まずは双眼鏡で必死に探すことからスタート!見つけたらカウント開始、時には500頭以上になることも。風や氷の状態も記録し、ドローンで上空から撮影します。極寒の中で命の息づかいを追う、冬だけの特別な研究です。
ドローン映像は、ゴマフアザラシの個体情報と氷の秘密を解き明かす“空からの玉手箱”!
フィールドでは、遠くのゴマフアザラシは黒い小さな点にしか見えず、分かるのは頭数だけ。それでも私たちは寒さに耐えながら観察を続けます。でも、ドローン映像には驚くほど多くの情報が詰まっています。空から撮影した高解像度の画像を使えば、雌雄を見分け、体長を正確に測り、子どもか大人かといった成長段階まで判断できます。さらに、どんな個体がどんな氷を選び、どの場所に集まるのか、その行動の特徴も読み取れます。ドローン画像はまさに“研究の宝箱”。極寒のフィールドから戻った後、私たちはその宝物を一つ一つ丁寧に解析し、アザラシの知られざる世界を解き明かしていきます。
湖を利用する条件を科学的に解明し、未来のゴマフアザラシの来遊を予測する!
ゴマフアザラシがサロマ湖や能取湖に「いつ来るのか」「どんな個体が」「どこを」「どのように利用しているのか」を明らかにするため、私たちは氷の広がり方や厚さ、気温、風向・風速などの環境データとあわせて詳しく解析します。どの成長段階の個体がどんな氷を選ぶのかを読み解くことで、湖が果たす役割も見えてきます。そして、地球温暖化によって流氷や結氷が減ったとき、アザラシの来遊時期や数がどう変わるのかを予測します。今の海を知ることが、未来を守る力になるのです。