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森林では、静かに見えて実は次の世代の木々が生まれ続けています。その仕組みの一つが「倒木更新」。倒れた木の上に新しい木が育つという、ちょっと不思議な現象です。病気に弱い針葉樹にとって、倒木の上は病原菌が少ない“安全地帯”です。しかし同時に、とても栄養の乏しい厳しい環境でもあります。そこで活躍するのが、根と共生する菌根菌です。菌根菌は倒木の有機物を分解し、木が生きるための栄養を届けるパートナーのような存在です。研究室では、この菌根菌がどのように栄養を獲得し、木の成長を支えているのか、その仕組みを探っています。森の中の見えない協力関係を解き明かす研究です。

気まぐれな天気や野生生物の動きなど、自然は人間の思い通りにはいきません。だからこそ、現場の状況を確かめながら計画を柔軟に更新していく「順応的管理」が重要になります。世界遺産・知床の森林再生でも、広葉樹の回復やシカ被害対策を、効果を検証しつつ一歩ずつ進めています。知床に最も近い大学にある私たちの研究室は、その地の利を最大限に活かしています。広葉樹の成長やシカの影響を毎年モニタリングし、現場の判断に欠かせないデータを提供しているのです。教科書だけでは学べない“生きた自然”を相手に、知床の未来をつくる研究を進めています。

北海道の自然は雄大ですが、その分、守り続けるのは簡単ではありません。阿寒湖周辺の森林では深刻なシカ被害を受けて以来、30年以上対策が続けられています。しかし、森が元の姿を取り戻すにはとても長い年月が必要です。私たちの研究室では、シカが好む樹種を中心に、幹の傷や樹皮はぎの痕跡を“診断”し、世代構造を読み解いています。広大な森を学生たちが人海戦術で駆け回り、過去のデータと比較しながら回復状況や必要な対策を明らかにし、現場へ還元しています。森林の健康診断チームの一員として、自然復元の最前線に関われる学びがここにあります。

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この研究室があるのは

森林生態学
2026.03