研究内容を 大まかにまとめると

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エゾシカによる農林業被害が深刻です。研究室では、エゾシカ対策の一つとして、樹皮食害が深刻となっている阿寒湖周辺の森林を舞台に、その対策をお手伝いしています。例えば、冬期間に越冬してくるエゾシカによる樹皮食害対策の一つとして、硬質プラスチック(HP)ネットを樹木に巻き付ける事業が行われています。しかし、HPネットは、重い・加工しにくい・破片が土壌汚染になるという課題がありました。そこで、作業負荷と環境負荷が軽微な生分解性プラスチックネットが使えないか、従来のHPネットと比較しながらその実用性を調査しています。

エゾシカ対策の一つとして、忌避装置の使用も行われています。特に、視覚は情報収集の多い感覚のため、エゾシカの色覚をより良く理解することによって、色や光を用いた装置の改善や性能向上に活かすことができると考えられています。研究室では、エゾシカに正解が固定された二者択一のクイズ方式で、複数の色の組み合わせとテストの試行回数を重ねることにより、エゾシカの目には色や形がどう映っているのかの解明を試みています。エゾシカが認識できる色覚がわかることで、忌避装置の改善だけでなく、エゾシカの誘導などの技術にも活かせるのではないかと考えています。

増えすぎたエゾシカの個体数を減らす事業が行われていますが、命を無駄にしない取り組みも大切です。エゾシカ肉の有効活用が盛んに行われています。これまではハンターが狩猟によって得たエゾシカ肉を入手するのが一般的でしたが、狩猟の際に弾丸の当たる位置や血抜き作業などで品質が変わってしまう課題がありました。そのため、北海道では大型の囲いわなで捕獲されたエゾシカを一時的に牧場で飼育し、食用やペットフードなどに加工して流通する事業も行われています。研究室では、国内でも唯一のエゾシカ飼育施設を活用し、飼育に関する基礎データを提供してきました。現在は、品質の良いエゾシカ肉の生産について研究を進めています。

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2026.03