研究内容を 大まかにまとめると

研究内容を もっと詳しく!

私が所属している市川ゼミは、生物飼育と野外調査の拠点であるオホーツク臨海研究センターで研究しています。サケなどの魚類、ケガニなど甲殻類の天然資源を増やすためには、生物の特徴を理解する必要があります。成長に最適な環境(水温、塩分)は種ごとに異なり、成長するにしたがって食べる物も変化します。生まれてから何年目で成熟して親になるのか、卵を産む時期や1回に産む卵の量など、生物の一生を理解する必要があります。そこで、私たちは実際に生物を水槽で飼育して、その成長や発育を調べています。また、生物の飼育技術も種ごとに開発しています。

現在、日本で漁獲されているサケのほとんどが、人が育てて放流した稚魚が北の海で成長して、産卵のために戻ってきたものです。現在、川に戻ってきたサケを捕獲して、卵を採り、受精させて、淡水で4cm程度まで育てた稚魚を放流しています。放流するサケ稚魚の一部は海上の生け簀で育てた後に放流されていますが、海水で育てる技術は数十年前に開発されたものです。現在はエサ(配合飼料)をはじめ、使用する資材も進歩しています。これまでに明らかになったサケの特性や性能が向した配合飼料にあわせて、低コストで、私たち学生でも健康なサケ稚魚を育てられる技術の開発に取り組んでいます。

食べ物には、もっとも美味しい時期の「旬」があります。サケの旬は、本州では秋鮭といわれるように秋ですが、北海道ではトキシラズといって春に獲れるサケも有名なんです!オホーツク沿岸のケガニの旬は、流氷が無くなった春です。しかし、獲れたケガニは直ぐに出荷されてしまいます。そのため、夏に訪れた方は網走で獲れたケガニを食べられないのです。オホーツク沿岸に観光に来られた方々に獲れてから数ヶ月後でも美味しいケガニを食べてもらうため、ケガニをより美味しくするエサの研究をしています。食べさせるエサによって味、ケガニの成分が変わることが判ってきたので、もっとも良いエサを探求しています。

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2024.03