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百人一首から一首選び、歌人と和歌の研究を行います。例えば、源実朝の和歌「世の中は常にもがもな渚こぐ海人(あま)の小舟の綱手かなしも」(93番)は世の無常を詠んだように思えますが、同じ時代の摂政関白の和歌に非常に類似していて、人民の栄えを願う政治家としての意識が浮かび上がってきます。百人一首は秀歌撰であると同時に、その歌人らしい和歌が撰ばれているという撰者の意識が見えてくるのです。和歌を一首一首丁寧に講読することで、和歌の心、ことば、時代に迫ります。また、鎌倉フィールドワークも行います。

平安・鎌倉時代には、多くの年中行事が行われていて、古典文学の重要な舞台、テーマとなっています。賀茂祭(葵祭)、端午の節句、乞巧奠(七夕)など、現代に受け継がれているものも数多くあります。こうした年中行事の歴史を研究したうえで、古典文学にどう描かれているか、特に和歌にどのように詠まれているかを分析します。例えば、乞巧奠(七夕)の祭りは、燈(ともしび)が重要な役割を果たしていたこと、天空の星と地上の燈が呼応する風景が描かれ、天と人間のみごとな呼応、相関が祝われていたことなどを解明します。

フェリス女学院大学は、2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を契機として、鎌倉市と3年間の包括連携協定を締結しました。中世文学ゼミでは、登場人物22人のイラスト・生涯・文化事績・史跡をまとめたガイドブックを作成し、鎌倉市に提供しました。調印式の画像でアピールしている冊子が、このガイドブックです。2年目以降も、さらに新たな鎌倉殿のプロジェクトに取り組みます。グループワークで企画書を作り、プレゼンテーションを行い、実現してゆきます。

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2023.02