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プロフェッサー 北海道医療大学
薬学部 薬学科 小林 健一有機化学/天然物化学/創薬化学 -
ナビゲーター 6年生 榎本 光華さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
薬は何でできているの?薬はどうやって作るの?
病気の治療に用いる薬の多くは「有機化合物」です。そして、現在使用されている薬は、植物や微生物などから得られる天然の有機化合物(天然物)の構造をもとに作られたものが多く、薬を開発する上で天然物は我々に大きなヒントを与えてくれます。しかしながら、天然物は微量であることが多いため、それらをそのまま薬として用いることはできません。そこで私たちの研究室では、がんやアルツハイマー型認知症の治療に効果のある天然物を、化学的に合成する研究を行っています。そして化学的に合成した天然物を使って、薬の開発に向けた様々な試験を行っています。
薬は何で病気に効くの?
薬は体のなかに存在する受容体、酵素、DNAなどに作用して効果を示します。私たちは、化学的に合成した天然物を使って、それらがどのようなメカニズムで病気に効くのか?どれくらいの治療効果があるのか?を調べる研究を進めています。このような研究はケミカルバイオロジーと呼ばれ、我々化学者の知識や技術が薬の開発に大きく貢献します。病気に効くメカニズムを知ることで、より作用が強くて副作用の少ない薬の開発につながります。
薬のプロフェッショナルとは?
私たち薬学部の学生の多くは薬剤師として就職します。薬剤師は薬の専門家と言われますが、卒業研究を通じて真の「薬のプロフェッショナル」になることを目指しています。
私たちの研究室では、新しい薬を開発するための研究を行っています。薬のタネになる化合物を合成する有機化学の実験に加えて、培養細胞やタンパク質などを用いた生物学的な実験も行っています。卒業研究ではこのような実験の技術を修得できるだけでなく、関連する研究の文献を調査したり学会に参加したりすることで、薬に関するより専門的な知識を身につけることができます。