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プロフェッサー 北海道医療大学
薬学部 薬学科 小島 弘幸衛生薬学/環境衛生学/毒性学/免疫学 -
ナビゲーター 6年生 石原 孔明さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
化学物質の特性を細胞内の「受容体」から紐解く
私たちの研究室では、環境化学物質の構造から作用する可能性が高い場所(細胞の中にある受容体)を3Dモデル解析によって推定します。次に、その「受容体」に環境化学物質が結合する事で特殊な反応を示す遺伝子を細胞に導入し、本当に3Dモデル解析の結果と一致するか検討します。そうすることで環境化学物質が作用する場所と毒性を明らかにし、様々な生物に与える影響を明らかにしているのです。
実験結果を「考える」
自分が出した実験結果が、本当に事実を表しているのか。私が実験の際に気を付けている事は、同じ実験を後輩達が行っても同様の結果を示すのかという点です。この「再現性」を担保する事は、化学物質の毒性を評価する上でとても重要です。私は、人間の受容体を強制的に発現させた細胞を構築し、化学物質を高感度に評価することのできる実験系を確立しました。その実験系は、ラボの仲間が再現性を確認してくれたため、今後後輩達が行う研究の手助けとなるはずです。
環境化学物質と共に生きる社会で「安全」を守りたい
指導教官である小島先生は、実験結果についても丁寧にディスカッションしてくれます。分からない事を減らして、自分なりに色々な事を調べていくうちに環境化学物質が私たちの生活にとても関係していることが分かりました。何気なく使っている商品にも、受容体を活性化させるものが含まれています。私たちの研究は、そうした1つ1つの化学物質を丁寧に下調べし、最終的には安全で便利な社会を確立するためのものなのだと思います。