研究内容を 大まかにまとめると

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高血圧症は生活習慣病の代表的な病気ですが、そのうちの約80–90%の患者さんは、血圧が高くなるはっきりとした原因がわからない本態性高血圧症です。私達の研究室では、世界的にも珍しい脳卒中易発症高血圧自然発症ラットという本態性高血圧モデルとなる実験動物から得た血管細胞を用いて研究したり、当研究室で独自に開発した培養細胞に圧力を負荷できる圧力負荷装置を用いて高血圧の状況を培養細胞で再現するなどのユニークな実験方法を用いて、本態性高血圧症発症メカニズムの謎にせまろうと努力しています。

がん化学療法剤とよばれる抗がん剤の代表的な副作用として、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状と呼ばれるものが挙げられます。特に吐き気や嘔吐は、患者さんに大きな苦痛を与えるため、適切ながん治療の妨げになることもあります。私達の研究室ではがん化学療法剤により起こる嘔吐や消化管傷害メカニズムなどを動物モデルを用いて研究し、そこで得られた情報からよりよい消化器症状改善薬の探索を行っています。

これまで患者さんに使われている薬は、当然ですがヒトに対しての安全性や薬物動態(薬の体内での動き)が十分明らかにされています。これら既存薬を改めて詳細に調べることで、新たな薬効を見つけ出し、別の病気の治療に役立たせる「ドラッグ・リポジショニング」という研究が注目を浴びています。私達の研究室ではこれまで循環器系・消化器系に作用する薬物の研究を続けており、これらの知識をもとにドラッグ・リポジショニングとして有益になりそうな薬物を文献ならびに実験により調べています。

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2024.05