研究内容を 大まかにまとめると

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国民皆保険制度によって、我々は病気になったときに、医療機関を自由に選び、質の高い医療サービスを比較的安価で利用できます。そして、そのサービスの内容や支払った金額などは、電子的に記録されています。この情報を個人が識別できない記号や数字に変換してデータベース化したものが医療のビッグデータです。近年、様々なデータベースが開発され、国や研究者が、医療サービスをより良くするために評価・研究に使っています。この治療法はベストな選択なのか、この治療の成功率はどの程度か?この医薬品の副作用リスクは?など、数の多い患者データを解析することで、様々な臨床的な疑問に対する答えを出すことが可能になってきています。

医薬品は人を対象にした臨床試験(これを「治験」と言います)を通じて、効果や副作用を調べて、専門家や国の承認を得て、はじめて医療現場で使われます。しかし実際は、治験に参加する患者は限定されるため、治療効果のない患者や予期しない副作用を起こす患者もいます。そのため、新しい医薬品は、医療現場で実際に使用しながら、多くの患者データを集め、評価することが必要です。医療ビッグデータには、様々な背景を持つ患者の情報が数多く含まれているため、その情報を解析・評価することで、医薬品の使われかた、効果や副作用、その治療にかかる費用等についてより普遍性の高いエビデンスを得ることが出来ます。

「実際の医療現場で成長ホルモン薬はどのように使われているのか?」の臨床疑問について、医療ビッグデータを用いて日本における成長ホルモン薬の処方実態についてまとめました。この研究は、日本で使用出来る成長ホルモン薬は6種類あり(2023年3月時点)、比較的値段の安い後発医薬品(「バイオシミラー」と言います)を含めて、医療現場でどのように使われているのか、バイオシミラーはどの程度普及しているのか不明だったため行いました。

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2024.04