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RNAはDNAに似た核酸分子です。DNAを鋳型として遺伝子の配列がRNAに転写され(mRNA)、それがさらにタンパク質の配列へと翻訳されます。それだけではなく、RNAは機能分子として多彩な役割を持ち、翻訳自体に関わったり、翻訳を抑制したりもします。体の中には多数の遺伝子から生じたRNAが存在しますが、病気になるとその量が変化します。それを調べると、どのような遺伝子の働きが病気で変化するかわかります。また、RNAは病気の治療標的分子ともなります。有害なRNAを分解したり、不完全なRNAを修復したりすることで治療に繋がります。実は、このような薬も、RNAを基にして作ることができます。

ヒトゲノムの配列には、およそ1000塩基につき1塩基の個人差があります。その一部は病気の発症リスクに関係します。CD33という遺伝子のある部位の塩基にはCかTの個人差があり、これがアルツハイマー病の発症リスクと関係します。この塩基はCD33の2番目のエキソンに存在し、CかTのどちらかによって、このエキソンのスプライシングが変化します。エキソン2が抜けたmRNAから産生されるCD33タンパク質は、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの除去を促進し、アルツハイマー病を防ぐ効果を示します。私たちは、エキソン2のスプライシングの制御機構を明らかにして、治療への応用を目指して研究しています。

筋強直性ジストロフィー1型という病気では、CTG3塩基が繰り返すリピート配列が遺伝子内に存在し、これがDNAの変異で異常に伸長します。CTGリピートは転写を受けてCUGリピートとしてmRNAに含まれます。伸長したリピートを含むRNAは細胞の核の中に蓄積し、RNA凝集物を形成します。ここに、RNAと結合するタンパク質の一種であるMBNL1が集まってきます。本来MBNL1はいろいろな遺伝子のスプライシングを制御するタンパク質ですが、この機能が果たせなくなり、スプライシングの異常が生じます。このような疾患では、異常なRNAを壊したり、RNAとタンパク質の異常な結合を阻害することが治療法になります。

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2024.04