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超高齢社会となった日本においては、平均寿命の延伸だけでなく、自立した生活を送れる期間を示す「健康寿命」の延伸も望まれています。健康寿命の延伸のためには、介護が必要となってしまう原因の一つである骨、関節、筋肉などの「運動器」の不調を予防することが必要です。これまで必要とされてきた5大栄養素や第6番目の栄養素としての食物繊維だけでなく、これからは運動器の健康に有効な成分である新しい「第7番目の栄養素」が必要であると考え、食品機能学研究室では、「コラーゲン」や柑橘類の「苦味成分」を「第7番目の栄養素」として発見し、研究を続けています。

コラーゲンは魚や豚、鶏などの皮や骨、軟骨など本来は捨てていた部位に多く含まれます。また柑橘類の種子や果皮にはリモノイドと呼ばれる苦味成分が含まれているため、捨てられてしまうことが多いです。これら「コラーゲン」や「リモノイド」が骨や軟骨の元となる細胞や骨を壊す細胞に影響を与えることを食品機能学研究室では世界で初めて発見・発表してきました。これは「コラーゲン」や「リモノイド」が骨粗しょう症や膝の痛みを予防する可能性を示すものです。
本来は捨てるはずであった食品廃棄物に含まれる成分が、実は人々の健康に貢献する機能を持っている、またフードロスの削減にもつながることに関心を持って研究を行っています。

長距離選手は膝や足を痛めやすいというのは想像できるかと思います。2016年から城西大学男子駅伝部の選手の皆さんにご協力いただき、コラーゲンペプチドを摂取することで長距離アスリートの膝の痛みに対して予防効果があることを明らかにしてきました。また筋肉が壊れることも予防することも分かり、若者でも、体を駆使しているにもかかわらず、ウエイトコントロールに心がける長距離種目アスリートにとって、魚の皮などに含まれるコラーゲンは第7番目の栄養素であろうと考えています。

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2024.03