研究内容を 大まかにまとめると

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脂質からなるナノサイズの粒子表面に外部からの刺激や生体内の変化に応答して変化する分子を付与することで、まるでプログラミングされた機械のように薬物を放出したり、細胞内に取り込まれたりできるナノマシンの設計が可能となります。当研究室では、指先に載のる程度の小さなガラス製のチップを用いたナノサイズの粒子を調製し、温度、超音波およびpHなどの外部刺激に応答することができるナノマシンを用いた医薬品送達研究を行っています。腫瘍や特定の病変組織への効率的な薬物送達への応用が期待できます。

医薬品開発は、低分子化合物からバイオ医薬品へシフトし、今後もさらなる成長が期待されています。これらバイオ医薬品は注射投与が一般的ですが、当研究室では簡便に、かつ注射投与に代わる痛みのない注射針を用いた革新的な経皮投与製剤およびウェアラブルデバイスを国内外の研究機関と協力し開発しています。これらはワクチンなどの経皮送達への応用が期待できます。また、AIによる医薬品投与の制御を目指したデバイス開発も行っています。

近年、野菜や果物は、直径100 nmくらいの小胞を分泌していることが分かってきました。その小胞中には核酸やタンパク質など細胞間情報伝達機能を持ったものが入っており、私たちの体の細胞と異種の細胞間でコミュニケーションをとっている可能性が示されています。皮膚の細胞とコミュニケーションをとる小胞を利用すれば、有効成分を効率的に皮膚に届けることができると考え、夢のアンチエイジング素材となる可能性があります。また、抗癌活性のあるような当研究室では、このような食物由来の細胞外小胞を用い、新しい発想での化粧品開発に挑戦しています。

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2024.03