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核酸医薬は、疾患の原因となる遺伝子を標的とするため、これまでの医薬品では治療が難しかった重篤な症状や、難治性疾患、遺伝性疾患などに対する治療を可能とする画期的な次世代型バイオ医薬品として期待されています。しかしながら、核酸は体内で代謝分解をうけやすいため、安価で薬効および安全性が高く、多くの患者様に使って頂きやすい形状の医薬品にするには、様々な化学修飾や製剤的工夫などが不可欠です。本研究では、難治性疾患に対する新規の核酸医薬開発を目指すとともに、核酸医薬を効率的に標的臓器や標的細胞に届けるための工夫や、経口製剤化の開発などを、様々な手法を用いた開発を多面的に行っています。

血液中には、赤血球や白血球と共に『血小板』と呼ばれる細胞が多量に含まれており、血液凝固や血栓形成過程における中心的な役割を果たしています。近年、血小板数の増減や血小板機能の異常は、心筋梗塞や脳梗塞の病因となる動脈硬化病変の形成や、免疫機能の異常など、様々な病態の引き金になりうることが分かってきました。血小板は私たちの身体の恒常性の維持に重要な役割を担っておりますが、未だ不明な点が多く残されています。本研究では、血小板の異常が引き起こす種々の病態の解明を目指し、特に『細胞外小胞』と呼ばれる血小板が放出する細胞間コミュ二ケーションツールに焦点を当て、日々研究を行なっています。

ヒトの体液の循環は、血管系とリンパ管系との2つに大別されます。血管系における体液(血液)は、太い動脈から細い毛細血管へと移行し、その後約90%が静脈へと流入し心臓へと還ります。一方で、残りの10%の体液は、間質液(リンパ液)と呼ばれる全身の細胞の隙間を満たす液体となり、細胞から出た老廃物や細菌やウイルスなどの生体異物を回収しながら、リンパ管を介して鎖骨下静脈へと流入します。体液循環と生体防御の両面で活躍するリンパ管系(リンパ液、リンパ管、リンパ節)ですが、未だ不明な点が多いままです。本研究では、リンパ管系の本質理解を追求し、様々なの病態の治療に資するリンパ移行性の医薬品の開発を目指しています。

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2024.03