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日本人の2人にひとりががんと診断されており、社会におけるがん看護へのニーズは拡大しています。がん看護は、がんと診断された人のからだの苦痛やこころのつらさを緩和して生活の質を維持、向上し、安寧をもたらすことを目指しています。例えば、がんは痛みや息苦しさ、体のだるさなど様々な苦痛をもたらすため、看護師はこれらの身体的苦痛を緩和するための看護ケアを行います。このほか、がんの予防や手術看護、化学療法看護、こころのケア、終末期看護、家族・遺族支援などがん看護が対象とする範囲はとても広いのです。

”痛み”はがん患者が最も恐れる症状のひとつです。痛みがあると日常生活や社会活動に支障をきたします。不眠が続いたり、不安にもなります。痛みが強いためにがん治療が続けられなくなると命にかかわります。がん患者の痛みは身体の痛みとしてだけでなく、精神的な苦痛、社会的な苦痛、スピリチュアルペインがそれぞれ影響し合ってトータルペイン(全人的苦痛)として存在し、患者を苦しめています。そのため、痛みを緩和することはとても大切です。

近年、がん治療を通院で行うことが増加しており、これに伴いがんの痛み(がん疼痛)をもちながら通院する患者が増えています。中には、自宅で医療用麻薬を服用している人もいます。通院患者の場合、医療者のいない自宅で痛みに対処することは容易ではありません。そのため、痛みの様々な問題に患者自ら取り組めるように支援する看護が必要です。山中研究室では「通院患者のがん疼痛セルフマネジメントを促進する看護介入プログラム」を開発し、このプログラムの有効性を評価する研究に取り組んでいます。

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2023.03