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プロフェッサー 東京農業大学 北海道オホーツクキャンパス
生物産業学部 食香粧化学科 山本 久美子化粧品科学/細胞生物学 -
ナビゲーター 4年生 小俣 祐妃さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
「優れた」化粧品の製造には素材が大事!素材の皮膚への有効性を細胞レベルから評価
私たちの研究室がある大学のキャンパスは北海道の大自然に囲まれています。北海道には化粧品の素材として優れた可能性を秘めていながらも未利用の資源が豊富にあります。私たちはこれらの資源が持つ機能性を細胞レベルから検証し、化粧品素材として有効性の高いものを探索しています。抗炎症、抗酸化、抗シミ・シワ、抗UV、抗アレルギー効果など様々な評価を行っており、これまでに北海道の花に指定されているハマナスの果実には免疫力を高める効果があることやエミューという鳥からとれるオイルには抗炎症作用があることを明らかにしました。エミューオイルを配合したクリームや石鹸等の化粧品は企業と共同開発し、既に販売もされています。
複雑な天然物特性を活用する!化学・バイオ・ナノテクノロジーを駆使した素材開発
私たちの研究室では天然物素材からの機能性化粧品の開発研究を行っています。天然物は種類もたくさんですが、個々の成分の化学的性質自体も複雑です。その上、スーパーヒアルロン酸のような化学あるいはバイオ処理により性能を向上させることもあります。そして、化粧品製品は用途によってウイルスや細胞のようなナノからマイクロサイズの分子集合体が必要となります。私たちは、ファイトケミカル、バイオサーファクタントをはじめ様々な天然物素材について、基礎化学(界面化学、有機化学、無機化学、光化学)、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーを駆使し、スキンケア・ヘアケア・色材等への潜在的利用性の発掘に取り組んでいます。
使い心地も重要!スキンケア化粧品の最適処方の検討
私たちの研究室では化粧品の中でも主にスキンケア化粧品の処方検討を行っています。機能性素材を配合したクリームなどの処方開発を行っておりますが、特にスキンケア化粧品は使い心地など人間の感性に訴えかけることが大切です。作った化粧品を実際に皮膚に塗布することで官能評価を行ったり、伸びの良さ・べたつき・硬さ等について装置で数値化することでより使い心地の良い処方を追求しています。また、せっかく作った化粧品でも何の効果もなければ意味がないですよね?私たちは皮膚の生理学に基づき、化粧品塗布後の皮膚の水分量や肌質の測定等を行うことで、皮膚に効果のある機能性化粧品の開発に関する研究を行っています。