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プロフェッサー 北海道医療大学
薬学部 総合薬学科 泉 剛神経科学/精神医学/神経薬理学 -
ナビゲーター 5年生 一色 健さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
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こころの病を脳科学の視点から捉え、病気の原因を追究
ストレス社会と揶揄される現代社会には、こころの病気、すなわち精神疾患に苦しむ人が数多くいます。世界中で精神疾患の発症メカニズム解明に向けた研究が進められていますが、様々な所見があり、一定した見解を導くには多くの研究成果をまとめ、総合的に考察する必要があります。その知識体系の中に組み込まれるような精度の高い研究を行うために、泉研究室では古典的な薬理実験に加えて、最新の脳科学研究手法の導入に努めています。
マクロからミクロまで、広く多角的な解析を実施
実験に用いるマウスやラットは、人間と共通の言語を持ちません。つまり、動物が「何を思い、何を考えているのか」を理解するためには、動物の行動を観察して解析する、というマクロな実験手法が必要となります。また、その行動を示す状況で脳内では「どんな遺伝子の発現を変化し、タンパク質の機能変化が生じるのか」というミクロな視点からの解析も重要になってきます。これらの実験で得られた所見を統合的に解析し、精神疾患の発症メカニズムを考察します。
新しい薬を見つけ出し、治療法の選択肢を広げる
既存の薬ではなかなか治療効果が現れない「薬剤抵抗性」の精神疾患、というものがあります。このアンメットメディカルニーズ(いまだに満たされない医療ニーズ)に対して、当研究室では新しい作用メカニズムをもつ精神疾患治療薬の開発に向けた、創薬シーズの探索を行っています。多くの治療選択肢が存在することは、様々な症状に悩まされる患者個人に対して、適切な治療戦略を考える上で、非常に有用となります。