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プロフェッサー 北海道情報大学
医療情報学部 医療情報学科 戸谷伸之医用生体工学、通信・ネットワーク工学 -
ナビゲーター ゼミ生さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
研究内容を もっと詳しく!
実験環境とデータ分析の例
歩き方をはじめとする人の運動に関係するデータをモーションキャプチャシステムを用いて計測し、その人の運動機能の変化(例えば日ごと・年ごと)を、機械学習の技術を取り入れて高精度に可視化する研究を行っています。運動機能は、体力や認知機能、疾病、さらに服薬などにも影響を受けて変化することが近年の研究でわかってきました。このことから、人の運動機能の向上や低下等のわずかな変化を把握して、トレーニング・リハビリの効果や歩行の危険性を定量的に評価する方式、さらには認知症・疾病を早期に発見する方式の実現を目指して研究を進めています。
手首の加速度データによる足上げ高さの推定
歩行をはじめとする人の運動の計測は光学式のモーションキャプチャーシステムや、複数の慣性センサを体全体に取り付ける大がかりなものが一般的です。そこで、もっと簡易で、一般家庭でも日常的に人の運動計測を可能とするシステムについて研究しています。研究例として、スマートウォッチ等の小型デバイスへの実装を想定して、手首に装着したセンサで得られる限られた情報のみから歩き方を推定する方式を提案し、その有効性を評価しています。この研究では機械学習を導入して推定精度の向上を図り、歩く際の挙上する足の高さや安定性の推定が可能であることを明らかにしてきました。
人の健康をネットワークを介して遠隔から見守る
急病による救急搬送においては一刻を争う事態も少なくありません。この研究では人の健康状態を屋内外の様々な場所において連続的に観測して、体調悪化の予兆があれば早期に検知し、通信ネットワークを介して医療スタッフに通知する方式を考えています。取り扱う情報としては、近年スマートデバイスでも測定値の高精度化が進められている体温・心拍・血圧・酸素飽和度などのバイタルサインと、それらから推定される健康状態、さらに歩き方等の運動に関わる指標、現在地、活動状況等を統合し、AIによりできるだけ正確に状況を遠隔から把握する方式を考えています。