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プロフェッサー 城西大学
薬学部 医療栄養学科 須永 克佳(教授) 菊地 秀与(准教授)薬理学、薬物療法学、薬物食品作用学 -
ナビゲーター 4年生 久保田 実唯さん ※学年は取材当時
研究内容を 大まかにまとめると
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食品と薬の相互作用を見出し、食事の面から患者さんを守る
薬の多くはなぜ水や白湯で飲むのでしょうか。また薬によって食前や食後といったタイミングの違いがあるのでしょうか。食物や飲料には薬の効果を強めたり弱めたりする、食べ合わせや飲み合わせがあるからです。これを食品と薬の相互作用といいます。患者さんの多くは薬で治療しているため、管理栄養士は栄養面だけでなく相互作用に配慮した食事を提供しなければなりません。また健康に気を配る方は薬に加え健康食品、サプリメントあるいはハーブを利用しているかもしれません。私たちは薬と食品の相互作用を未然に防ぐための研究を通して相互作用を引き起こす仕組みを明らかに、薬と相性の悪い食品について注意喚起すること目指しています。
食品と薬の相互作用を意識することで患者さんへ安心・安全な食事を届けたい
医療栄養学科では栄養だけでなく薬について学んでいるので、患者さんの病態やどのような薬を使用しているかを想定するだけでなく、薬との食べ合わせや飲み合わせ考慮したメニュー開発を行い、食事を通して症状の改善や、食事をする楽しみなどを提案してます。さらに食品と薬の相互作用の知識をまとめた食品-医薬品相互作用データベースを充実させるために、日本語や英語文献を用いた調査を行っています。保健機能食品(機能性表示食品など)をはじめとした健康食品やサプリメントが様々な目的に合わせて作られているため、薬と併用している方もいますので、利用している方への安全情報の提供としても役立ちます。
健康食品の素材を見つけることは、薬と似た効果をもつ食品を見つけること
健康食品には、健康効果が期待されているにもかかわらず科学的検証が不十分なまま利用されているものがあります。また食品にはまだ知られていない健康効果も存在します。私たちはメディカルハーブなどの天然由来素材の健康効果を、試験管、培養細胞あるいは動物などによる研究を通して科学的に明らかにしています。このような研究では薬の知識が生かされており、例えば健康食品の血圧、血糖値あるいは中性脂肪を下げる健康効果には、高血圧症、糖尿病あるいは脂質異常症に使われる薬と似た仕組みで示されるものもあります。最近研究室では、薬の知識を利用して、美容効果が知られているローズヒップの高尿酸血症治療薬様作用を明らかにしました。